アフガン人ボクサー、スーツケースに英国人女性の遺体…防犯カメラが捉えた衝撃の夜
ギリシャ・アテネの街角で、スーツケースを引きずる男の姿が防犯カメラに映っていた。一見、ごく普通の旅行者に見えるその男――しかし、ケースの中には英国人女性の遺体が詰められていたという。
逮捕されたのは26歳のアフガン人、シャリフ・アフマドザイ。黒いTシャツにショートパンツ、青いバックパックといういでたちで、7月16日の夜、アテネ中心部を大型スーツケースを引きながら歩いていた。彼はこのスーツケースを、キプセリ地区の廃ビルに遺棄したとみられている。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 遺体が見つかったのはその2日後、7月18日。発見したのはホームレスの男性だった。被害者はエディンバラ出身のエリザベス・ジェーン・ロスさん(38)。友人や家族からは「リサ」と呼ばれ、親しまれていた。
アフマドザイは逮捕後、遺体をスーツケースで運んだことは認めたものの、殺害については否認している。しかしアテネ警察官協会名誉会長のジョージ・カリアクマニス氏は「彼は遺体を台車で運んだことを認めている。警察は彼の犯行を疑っている」とガーディアン紙に語っている。
さらに彼は、被害者のクレジットカードを使ってATMから1万ユーロ(約160万円)を引き出したことも認めた。警察は彼が被害者の携帯電話を使って、家族や友人に彼女になりすましたメッセージを送っていたとも主張している。
驚くべきは、この男の経歴だ。アフマドザイはアフガニスタン出身のチャンピオンボクサーで、2023年3月にはギリシャのスーパーライト級タイトルを獲得。2016年に移民としてレスボス島に到着し、その後アメリカ人のアライナ・ホールさんと結婚。アテネで難民支援団体「Love Every Nation Athens」を運営していた。
被害者のリサさんは、この団体が所有するアパートに滞在していた。アフマドザイ夫妻はそのアパートの鍵を持っており、支援活動を通じてリサさんと知り合ったと報じられている。
アライナ夫人は事件の鍵を握る証拠を提供した。位置情報共有アプリで、夫が7月15日夜から16日にかけてリサさんのアパートにいたことを確認。リサさんの身元が公表されると、夫の関与を疑い、子どもを連れて家を出たという。彼女は警察に、被害者のものと思われる携帯電話と現金2550ユーロ(約40万円)も提出した。
アフマドザイの弁解はこうだ。「アパートの浴室でリサさんが死んでいるのを発見し、遺体をスーツケースに入れて翌日夜に廃棄した」。しかし警察は、彼が被害者の携帯でなりすましメッセージを送り、カードで金を引き出した事実を重視。殺人容疑を強めている。
初期の検死報告では、リサさんは窒息死の可能性が示唆されている。正式な死因は毒物検査の結果を待つ状態だ。
アフマドザイの自宅からは、模造グロック拳銃と軍用ナイフも発見され、武器所持の罪も追加された。彼のウェブサイトによれば、父親はカブールの軍司令官だったが、彼が4歳の時にタリバンの待ち伏せで射殺。兄も5年後にタリバンに誘拐され、15歳の時に残りの家族は自爆車爆弾で亡くなったという。
彼は現在、アテネの裁判所で審理を受ける予定だ。ボクシングのチャンピオンから、遺体をスーツケースで運ぶ男へ――そのギャップに、ただただ驚くほかない。
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