「泳いでも大丈夫?」直後にワニに襲われ23歳女性死亡、ガイドは有罪に
「本当に泳いで大丈夫なんですか?」——そう何度も確認した観光客の問いに、ツアーガイドは「安全だ」と断言した。その直後、23歳のドイツ人女性が巨大ワニの犠牲になった。
2002年10月、ドイツ・ミュンヘン工科大学でインテリアデザインの学位を取得したばかりのイザベル・フォン・ヨルダンさん(23)は、妹のヴァレリーさん(21)とともにオーストラリアへ卒業旅行に出かけた。2人はケーカドゥ国立公園を巡るツアーに参加。ガイドはダーウィン出身のベテラン、グレン・ロブレス氏が務め、他にも数名の国際観光客が同行していた。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro ツアー最終日の夜、一行はサンディ・ビラボンという水場の近くでキャンプを張った。周辺には複数の言語で「ワニに注意」と書かれた警告看板が立っていたが、ロブレス氏は「ここは泳いでも安全だ」と宣言。自ら懐中電灯で水面を照らし、危険がないことを確認したと主張し、岸に積み上げられたムール貝の殻を見て「今日、先住民が泳いだ証拠だ」と説明したという。
少なくとも1人の参加者が「本当に大丈夫なのか」と何度も食い下がったが、ロブレス氏は「絶対に安全」と繰り返した。一行は短時間水遊びを楽しんだが、ガイドが別のガイドと連絡を取るためにその場を離れた途端、事態は急変する。
気づかぬうちに、全長4.2メートル、体重400キロのイリエワニが彼女たちの間に忍び寄っていた。生存者の一人は「足に何かが触れたと思ったら、最初は誰かがふざけているのかと思った」と証言。やがてイザベルさんが水中に消えたことに気づき、一行はパニックに陥った。
レンジャーがボートで捜索し、イザベルさんを襲ったとみられるワニを射殺。翌朝、サウスアリゲーター川の支流で、イザベルさんの遺体が発見された。検死の結果、死因はワニの噛み傷ではなく、溺死だった。
捜査の結果、ロブレス氏は過失致死罪で起訴されたが、後に「危険な不作為による死亡」に減軽され、2003年に禁錮3年、執行猶予付きの判決を受けた。2005年1月に公表された検死報告書は、ロブレス氏の判断を「説明不能かつ弁解の余地がない」「極めて重大な過失」と断じた。
「ワニに襲われるのは、その人の体格が関係しているかもしれない」と捜査に参加したレンジャーは推測したが、ワニの攻撃行動は「極めて予測不能」とも認めている。安全なはずの水辺で、なぜこんな悲劇が起きたのか——今なお、多くの旅行者に警鐘を鳴らし続けている。
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