卵価格2倍も?鳥インフル猛威に養鶏農家が悲鳴
オーストラリアでH5型鳥インフルエンザの感染が広がり、養鶏業界が戦々恐々としている。すでに野生の鳥類では101件の確認例があり、今月に入ってからは初の大量死も報告された。連邦農業大臣ジュリー・コリンズ氏は「野生生物の間でH5が広がれば、大きな損失を避けられない」と認めつつ、現時点で養鶏場への感染は確認されておらず、人体へのリスクも低いと説明している。
しかし、業界内では「時間の問題」と見る声が圧倒的だ。2024年にH7型で約200万羽が殺処分されたビクトリア州の養鶏業者ブラッドリー・マコーリフ氏は、「わが社だけで14日間で60万羽以上を失った。H5も必ず商業農場に到達する。隣の農場かもしれないが、いずれにせよ避けられない」と語る。同氏はすでに数千万ドルを防疫に投資し、卵のパッキング施設を農場外に移すなど対策を強化しているが、「今や全員を脅威とみなしている」と警戒心をあらわにした。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 一方、すべての農家が同じ対策を取れるわけではない。クイーンズランド州の放し飼い養鶏場「9Dorf Farms」のブロニン・ノイエンドルフ氏は「うちは放牧飼育なので、鶏を屋内に閉じ込めるのは現実的じゃない」と頭を抱える。代わりに電気ネットや番犬、検疫レベルの衛生管理でしのいでいるが、根本的な解決にはならない。同氏は「最高の消毒は太陽の光」と祈るような思いだ。
卵の卸売業者ピーター・マリノス氏は「商業農場で1件でも感染が出れば、卵の価格は2倍になる」と警告する。「これはまさに時限爆弾だ」。オーストラリア競争消費者委員会(ACCC)は、鳥インフルエンザ対策で鶏を屋内に収容しても、90日間は「放し飼い卵」として販売できる特例措置を認めているが、それも一時しのぎに過ぎない。
現時点での飼育規制は自主的なものだが、各州が強制命令を出せば業界はさらに混乱するだろう。暑いクイーンズランド州では気候がウイルスの拡散を抑えてくれるという淡い期待もあるが、南オーストラリア州など冷涼な地域では状況はより深刻だ。卵好きの日本人としては、他人事ではないこのニュース。オーストラリアの卵棚が空っぽになる日が来る前に、私たちにできることはあるのだろうか。
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