ギリシャ旅行でマダニに刺され…51歳女性が42日間の昏睡、記憶喪失に
ギリシャへの旅行でマダニに刺されただけ――。それが原因で、51歳の女性が約6週間もの間、昏睡状態に陥るという衝撃的な出来事があった。
英アングルシー島在住のビクトリア・ステラスさん(51)は2019年、ギリシャのシロス島を訪れた際にマダニに刺された。滞在中はインフルエンザのような症状が出ていたが、帰国後、夜間に痙攣発作を起こすようになったという。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 病院でMRI検査を受けた後、リバプールの主要神経病院であるウォルトン・センターにヘリコプターで緊急搬送され、そこで42日間にわたって人工昏睡状態に置かれた。医師からは「ダニ媒介性脳炎(TBE)」と診断された。TBEは致死率もある脳の炎症で、特に欧州やロシア、中国、日本の一部地域で報告されている。
現在も後遺症に悩まされているステラスさんは、記憶障害が残り、以前はパブや特別支援学校の教務補助として働いていたが、両方の仕事を失った。「記憶を必要としない仕事ってある?買い物も仕事も旅行も、全部記憶が必要よ」とBBCの取材に語っている。
学校に復帰しようとした時、子どもたちやスタッフの名前が思い出せず、今でもその問題は続いているという。現在は1日最大18錠の薬を服用しながら、約6ヶ月間の入院と治療を経たが、生活は「完全に変わってしまった」と話す。外出の頻度も減ったそうだ。
ステラスさんはギリシャ生まれで、毎年帰省していた。義理の兄の家にはヤギがおり、それがマダニを引き寄せた可能性があるという。NHS(英国保険医療サービス)によると、英国でTBEに感染するリスクは非常に低く、マダニに刺されて重篤になる可能性は「極めて低い」とされている。
それでも、感染が一般的な地域で屋外活動を予定している人にはワクチン接種が推奨されている。ステラスさん自身はワクチンの存在を知らなかったといい、「リスクのある地域に旅行する人は、ぜひワクチンを打ってほしい」と注意を呼びかけている。
「まさかマダニごときでここまでなるとは」――彼女の体験は、軽く見られがちな虫刺されのリスクを改めて考えさせられる。特にアウトドア好きな人は、渡航先の感染症情報を事前にチェックしたほうが良さそうだ。
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