マジョルカ島で観光客追放デモが暴徒化、警察と衝突で7人負傷
観光地として名高いスペイン・マジョルカ島で、地元住民の怒りが爆発した。首都パルマで行われた反観光客デモには推定2万5000人以上が参加。デモ隊と警察が激しく衝突し、7人が負傷(うち2人は重傷)する事態に発展した。
デモ隊は「セーブ・マジョルカ」「ツーリスト・ゴー・ホーム」と書かれたプラカードを掲げ、マスツーリズムとジェントリフィケーション(地域の高級化)に反対する大規模な抗議行動を展開。警察が安全上の懸念からデモの終着点を変更したところ、参加者がバリケードを飛び越え、警官が警棒を振るう事態に。投石ならぬ「瓶投げ」まで飛び出し、警官側はゴム弾で鎮圧にあたった。
このデモを主導したのは地元の草の根グループ「メニス・トゥリスメ、メス・ビダ(=観光より暮らし)」。SNSで「マヨルカは限界に達した。生態的、社会的、人的圧力の限界、住民が耐えられる限界を超えた」と声明を発表。
まあ観光客が押し寄せるのと同時に、住む人も激増しているのが実情。2005年から昨年までの間にバレアレス諸島の人口は28万人増えて125万人に。一方で年間観光客数は1900万人超と、なんと倍以上に跳ね上がった。さらに住宅価格は1平方メートルあたり2207ユーロ(約38万円)から4062ユーロ(約70万円)に高騰。「住む場所がない」と悲鳴を上げる住民は少なくない。
これまでも昨夏に似たような大規模デモが行われており、カナリア諸島やバルセロナ、マドリードなどでも反ツーリズム運動は広がっている。ただし、全ての地元民が観光客に敵意を持っているわけではなく、ホテル業界連盟(FEHM)は英語とドイツ語のビルボードを掲げ「来てくれてありがとう、また会いましょう」と観光客歓迎キャンペーンを展開中。地元経済の屋台骨であるだけに、単純に「観光客全員帰れ」と言い切れない複雑さもある。
太陽とビーチを求めてやってくる旅行者と、生活の場を守りたい住民。リゾート地特有の悩みは、今年も熱い夏を迎えそうだ。

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