ロシアの核搭載可能ミサイルがポーランドに落下、直径10mのクレーター
ロシアがウクライナに大規模なミサイル・ドローン攻撃を仕掛けたその夜、NATO加盟国ポーランドの空にも“不審な物体”が飛来した。
ポーランド国防省のチェザリー・トムチク副大臣は、現地時間7月30日未明に東部の野原に落下した物体について「核弾頭を搭載可能なロシア製Kh-101巡航ミサイル」であり、着地と同時に「爆発した」と認定。地元放送局TVN24に対して「潜在的に非常に危険な兵器だ」と語った。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon ミサイルが落下したのはウクライナ国境から約57マイル(約92キロ)離れたタルナヴァ・コロニア村近郊。衝撃で直径10メートル(約33フィート)ものクレーターができたが、幸いにも負傷者や建物への被害は報告されていない。
NATOのマルク・ルッテ事務総長はこの事態を「ロシアによるさらに無謀な行為であり、ウクライナ戦争の危険な副産物だ」と非難。ポーランドのドナルド・トゥスク首相は現地を視察し「非常に深刻な事件」と述べつつも、「ポーランドが標的だったと考える理由はまったくない」と冷静なトーンを崩さなかった。
実際、このミサイルはウクライナ各地への絨毯爆撃の“はみ出し”だった可能性が高い。ウクライナのゼレンスキー大統領によれば、同日未明のロシア軍による攻撃では、少なくとも10の地域が標的となり、70発以上のミサイル(多くは弾道ミサイル)と約280機のドローンが投入された。ウクライナ側は260機以上のドローンを迎撃したが、子どもを含む民間人10人が死亡、50人以上が負傷。首都キーウでは弾道ミサイル攻撃を受け、31歳の男性が死亡、2人が負傷。地下鉄駅に約5万6000人が避難する事態となった。
ロシア国防省は「ウクライナの空軍基地、兵器工場、軍事通信・兵站施設、ドローン工場、ミサイル・航空機修理施設、化学工場などを標的にした」と発表。ウクライナ側の迎撃ミサイル不足を突く狙いがあり、その背景には米国製パトリオット防空システムの在庫がイラン戦争で枯渇している事情もあるという。
一方、ポーランド軍はミサイルがレーダーから突然消失したため、NATO戦闘機に加え攻撃ヘリコプターなどをスクランブル発進。地上の防空システムも作動させた。パイロットが最後に確認した位置を捜索した結果、農業地帯で衝突跡を発見した。
ウクライナ外相のアンドリー・シビハはX(旧Twitter)で「この事件は、ウクライナの防空強化が欧州全体の安全保障に直結することを明確に示している」と主張。NATO関係者も「戦闘機、攻撃ヘリ、さらに2機の航空機がスクランブルされ、地上防空部隊も作動した」と認めている。
なお、ロシア側にも報復攻撃が及んだ。クレムリンはウクライナから258機のドローン攻撃を受けたと発表。ペンザ州では、ロシアの大手オンライン小売りワイルドベリーズの倉庫が火災を起こし、4人が負傷した。
「第三次世界大戦」という言葉がまたたく間にSNSを駆け巡った今回の一件。とはいえ、トゥスク首相が言うように「標的ではなかった」というのが現状の分析。しかし核ミサイルが“たまたま”NATO領に落ちるという事態が、いつまでも“ただの事故”で済むとは限らない——そんな冷や汗をかかせるニュースだった。
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