命を懸けて観光客を守ったサファリガイド、ライオンに襲われ死亡
ジンバブエの国立公園で、観光客を守ろうとしたサファリガイドがライオンに襲われ死亡する痛ましい事故が起きた。
現場はゾウやライオンなどアフリカの野生動物が生息するHwange国立公園。ガイドのQuinn Swalesさん(40)は写真撮影目的のウォーキングツアーを率いていた。同園でキャンプを運営する会社のFacebook投稿によれば、彼はこれまでに「数え切れないほど」同公園を探索したベテランだった。
ある日、7人グループが開けた場所の周囲を歩いていると、ライオンの群れを発見。するとすぐに、休んでいた成体のオスの一頭が立ち上がり、グループに向かって歩き始めた。
しかしSwalesさんは冷静だった。同様のシチュエーションに遭遇したのは初めてではなかったのだ。彼はグループにライオンの行動パターンを説明し、自分の後ろに立って動かないよう指示。さらに「ベアバンガー」と呼ばれる大きな音を出す装置をグループと一緒に使ったところ、ライオンは一旦退いた。
ところが直後、ライオンが戻ってきてSwalesさんを襲撃。会社の声明によると、「Quinnは突進の全衝撃を受け止め、攻撃の速さにライフルを撃つこともできず、文字通り自らを危険にさらすことでライオンがグループを襲うのを阻止した」という。肩と首を噛まれたSwalesさんは、その場で死亡した。
観光客の恐怖の悲鳴と騒ぎでやがてライオンは去り、観光客らは助けを呼びSwalesさんに応急処置を施そうとしたが、手遅れだった。
実はこのHwange国立公園では、この数カ月前にも悲劇が起きていた。公園で人気だった13歳のライオン「セシル」が、違法な狩猟で殺されたのだ。オックスフォード大学の研究者が追跡調査していたセシルは、矢で射られ10時間後にアメリカ人のトロフィーハンター、Walter Palmerによって銃でとどめを刺された。この事件は世界的な非難を浴び、抗議や刑事手続きに発展したが、Palmerは後に全ての罪を免れている。
こうした悲劇にもかかわらず、同キャンプは公園の規則を厳守すれば安全とされている。ジンバブエ公園野生生物管理局は、車両から離れない、運転時間制限を守る、動物から安全な距離を保つ、餌を与えない——といったルールを徹底するよう呼びかけている。
Swalesさんの勇気ある行動は、今も多くの人の記憶に残っている。

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