スペイン領セウタに3000~5000人不明、子どもは「帰還不可能」と首長悲痛
アフリカ北端のスペイン領セウタで、先週起きた前代未聞の大量越境から1週間。地元のトップであるフアン・ヘスス・ビバス氏が欧州議会で「深い悲しみ」と語るほど、事態はまだ収束していない。
ビバス氏によると、モロッコから海を渡ってきた移民は約7万8000人。うち約100人が命を落とし、7万5000人はモロッコ側に送り返されたが、それでも3000人から5000人がセウタに残っているという。驚くべきは「正確な数字すら把握できていない」と認めた点。これがどれだけ現場が混乱しているかを物語っている。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 特に頭が痛いのが未成年の扱いだ。ビバス氏は「帰還は基本的に不可能」と断言。なぜなら、子どもを強制送還するには本人の同意が必要だからだ。スペイン内務省は移民の子ども支援に2500万ユーロ(約21億4000万円)を発表したが、地元紙エル・ムンドの報道によるとボランティア団体が登録した子どもの数は4860人と、公式推定の約2倍。ボランティアの一人は「住民が家に受け入れているが、もう限界」と疲れ切った声を漏らしている。
ビバス氏はスペイン政府の対応にも怒りを隠さない。「首相に直接警告したが、遅すぎたし不十分だった。地元当局が海路の増加を事前に訴えても無視された」と批判。実際、EUの移民担当委員マグヌス・ブルナー氏は「犯罪ネットワークが偽情報を流して越境をあおった可能性がある」と指摘するが、ビバス氏に言わせれば「そんなことより現場にリソースを回せ」というところだろう。
この騒動はEU内の関係もギクシャクさせている。イタリアはスペインとのシェンゲン協定を停止し、フィンランドとデンマークも同調。チェコはスペインのシェンゲン圏一時追放を要求する始末。EUはセウタに追加支援を申し出ているが、スペイン側から国境警備隊の増員要請は来ていないという。
一方、モロッコは「スペイン最高裁が海上で捕まえた移民の即時送還を禁じたことで、抑止力が弱まった」と反論。セウタとメリリャをめぐる領有権問題は根深く、今回の大量越境は両国の火種に再び油を注いだ形だ。ビバス氏が「人道的緊急事態」と訴える一方、ボランティアの「持続不可能」という悲痛な叫びが、EUの移民政策の限界を鋭く突きつけている。
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